ここでは、聴覚障害のある患者さんのサポートに効果的な手話通訳士について紹介していきます。
耳に障害のある患者さんをサポートできる手話通訳士
病院にくる患者さんは、健常者ばかりではありません。(もちろんケガや病気で来院するわけですが)
耳に障害がある人も訪れることがあるでしょう。看護師はそういった患者さんに対しても看護やサポートをする必要があります。
耳が聞こえるのであれば、日常会話で患者さんの気持ちを落ちつかせたり、楽しませたりすることができますが、耳に障害のある患者さんに対しては、筆談だけでは思うようにコミュニケーションが取れないだけでなく、看護業務にも支障をきたしてしまいます。
耳に障害のある人のまわりでは手話を使える人も多く、サポートできる環境が整っているものですが、病院内においては手話を使える人がおらず、たとえ病室内に他の患者さんがいてもコミュニケーションが取れず入院生活で孤独感を味わうことにもなりかねません。
そんな時に手話でコミュニケーションが取れたら、患者さんの不安も少しは解消されるのではないでしょうか。そういったサポートも患者さんと接する機会が多い看護師に必要なスキルかもしれません。手話通訳士は、難易度は高いですが、20歳以上であればすぐに受験できる資格です。看護師の仕事をしながら専門学校に通うのは難しいかもしれませんが、学科は通信講座で勉強し、実技は市町村やボランティア団体が開催する手話講習会などに参加して身につけられるでしょう。
手話通訳士の資格があったからといって病院の就職に有利になるとは言いきれませんが、取得しているだけでアピールポイントになるかもしれません。
手話通訳士になるには
1.手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)に合格
<受検資格>
20歳以上(受験する年度末までに20歳に達するもの)
※20歳以上であれば誰でも受験できますが、現実的に合格するためには実務経験3年以上は必要
・手話通訳の学科のある専門学校に入学
・地方公共団体やボランティア団体が実施している手話講習会に参加
<認定試験の概要>
受験資格:20歳以上
日程:年1回(10月初旬の土曜(学科試験)・日曜(実技試験)の2日間にわたり開催)
会場:東京、大阪、熊本
費用:受験手数料18,000円
申請書受付:5~6月末まで
試験方法:学科試験はマークシート方式
実技試験はテープレコーダー、ビデオによる聞き取り通訳と読み取り通訳
試験問題:
《学科試験》各90分間
①障害者福祉の基礎知識(20問)、聴覚障害者に関する基礎知識(20問)
②手話通訳のあり方(20問)、国語(20問)
《実技試験》
①聞き取り通訳(2問)
②読み取り通訳(2問)1試験室1名にて
<過去5年間の合格率>
実施年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
平成19年 | 25.6% | 961 | 246 |
平成20年 | 33.1% | 897 | 297 |
平成21年 | 33.4% | 932 | 311 |
平成22年 | 21.3% | 863 | 184 |
平成23年 | 19.8% | 920 | 182 |