ここでは、若年層にも増えつつある糖尿病患者への適切な指導をおこなう日本糖尿病療養指導士について紹介していきます。
糖尿病患者は糖尿病療養指導士により適切な指導を受ける
近年、食生活の欧米化や運動不足、アルコールの過剰摂取などにより、糖尿病と診断される人が多くなってきています。
けがなどで入院した患者さんは、医師の治療・手術などにより快方に向かっていきますが、糖尿病の場合、患者さん自身による食事療法や運動療法で血糖値をコントロールすることが大切です。
自宅での血糖値コントロールといってもなかなか容易なことではありませんから、そのための適切な指導が重要となっています。
この役割を担うのが日本糖尿病療養指導士です。
指導士が直接指示するのではなく、医師の指示のもとに行われます。医師からもアドバイスしてもらえますが、患者さんにとっては医師よりも看護師さんのほうが話しやすく、相談しやすいと感じるようです。
糖尿病というと中高年男性に多いイメージがあったのですが、最近では偏食、動物性脂肪食品などの過剰摂取により若年層にも糖尿病にかかる人が増えてきています。そのため、今後はますます専門知識をもった指導士の需要が高まっていくことでしょう。
日本糖尿病療養指導士になるには
1.日本糖尿病療養指導士認定機構が実施する受験者用講習会を受講
2.認定試験に合格
3.資格取得後は5年ごとに更新
・認定更新者用講習会を受講することで更新
・指定会場での講習会の他に、自宅のパソコンのインターネットによるe-ラーニング方式もあり
<認定講習会受講資格>
看護師、臨床検査技師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士などの資格を保有し、条件を満たす医療施設(※)で、継続的に2年以上の糖尿病療養指導の業務に従事したもの。さらにその期間中に糖尿病療養指導に10例以上携わっていること。
(※)日本糖尿病学会専門医または常勤学会会員医師が受験者を指導している施設(外来診療、患者教育や食事指導をおこなっていること)
<認定試験の概要>
受験資格:認定講習会受講者(受講年度に受験しなかった場合のみ次年度の試験まで有効)
日程:3月上旬の日曜日
会場:札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・岡山・福岡
費用:受験料20,000円、試験合格後登録手数料3,000円
申請書受付:11月中旬~12月初旬
試験方法:マークシート方式
試験問題:全150問(午前10:00~12:00、午後1:30~3:30)
試験内容:原則として「糖尿病療養指導ガイドブック」に沿って出題
<過去5年間の合格率>
回数(実施年度) | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | うち看護師数 | 占める割合 |
---|---|---|---|---|---|
第8回(平成19年) | 88.1% | 1,948 | 1,716 | 899 | 52.4% |
第9回(平成20年) | 89.1% | 2,021 | 1,801 | 939 | 52.1% |
第10回(平成21年) | 89.4% | 2,010 | 1,797 | 928 | 51.4% |
第11回(平成22年) | 91.4% | 1,955 | 1,786 | 891 | 49.9% |
第12回(平成23年) | 90.8% | 1,943 | 1,764 | 879 | 49.8% |
<山梨県の認定士の数>
地域 | 全体数 | うち看護師の数 | 看護師の占める割合 |
---|---|---|---|
全国平均 | 363.1人 | 177.4人 | 48.9% |
甲信越地域平均 | 287.7人 | 139.7人 | 48.6% |
山梨県 | 113人 | 60人 | 53.1% |