ここでは、今医学界でも注目さている緩和ケアについて紹介します。
患者さんの痛みを和らげる緩和ケアが医学界で注目!
病院に入院されている人によっては、耐えられないほどの痛み、いつ治るかわからない不安感、死を待つだけという絶望感を味わっている人もたくさんいます。
もちろん、完治するのであればまだいいでしょう。ただなかには苦しい思い、つらい思いをし続けて、最終的にはお亡くなりになる患者さんもいるのです。
特にがんなど進行性の病気の場合、患者さんの心身ともの苦痛は計り知れないものがあるでしょう。また、患者さん本人だけでなく、その家族の方々も患者さんの苦しみを見ていられない、亡くなってしまった後の不安などで精神的なストレスを感じてしまうのです。
今、医学界でも注目されているのが、緩和ケアです。緩和ケアとは、上記のように手の施しようがないくらいまで進行してしまった病気の患者さんに対して、手術や治療などで延命することよりも、その痛みや不安を和らげることを目的とする方法です。最期の瞬間まで患者さんやご家族の方が、自分らしく、自分の生きてきた意味を感じとれるようにケアをしていくのです。
緩和ケアをおこなうのは、やはり患者さんとその家族の方々と接する機会が多い看護師がもっとも向いているでしょう。そのための知識や技術を習得し、実戦できるスペシャリストが緩和ケア認定看護師です。
緩和ケア認定看護師は、日本看護協会がある特定の看護分野において熟練な看護技術と知識を認めた21ある認定看護師の中の一つです。近年では医療の現場でニーズが高まっており、緩和ケア看護師を設置する病院も増えています。また緩和ケア認定看護師は、患者さん、その家族だけでなく、病院内の一般看護師に知識や技術を伝えることもできます。そのため病院での看護業務の底上げにもつながることでしょう。
緩和ケア認定看護師になるには
1.緩和ケア認定看護師教育機関で6ヶ月以上教育を受ける
2.認定看護師認定審査を受け、合格
3.資格取得後は5年ごとに更新
<認定看護師教育機関の入学条件>
保健師・助産師および看護師の資格を取得した後、実務経験が通算で5年以上、そのうち緩和ケアの実務経験が3年以上あるもの
<認定試験の概要>
日程:11月初旬
会場:東京都内
費用:審査料50,000円
申請書受付:
①Web申請、審査料振り込み(7月中旬~7月下旬)
②オンライン審査書類提出(7月中旬~8月初旬)
③申請書類(7月下旬~8月上旬)
④看護実績報告書の提出(9月中旬~9月下旬)
審査方法:
一次審査(書類審査)
二次審査(看護実績報告書、筆記試験)
試験問題:事例問題100点、総合問題100点(120分)
合格率:90%以上